幸福な食卓 著者名:瀬尾まいこ(著)
出版社:講談社
出版年:2007.06
ISBN :9784062756501
評判作だし映画化したし、とかなり期待。中編連作集で、最初の話は作者と同業のお父さんが抱えた過去と家族への影響を描いて秀逸。しかしそりゃないぜあんた!というラストも含め続編たちは拡散気味かな。ま、家族も他人も、どっちも大事ってことっすね。
★読み終わった直後はいろいろ言いたいこともあったけど、一週間経つと忘れちゃいますね…。
やっぱり最初の話はいいと思います。特にお父さんの過去の事件(ネタバレですが
自殺未遂)が、家族全体に落とす影。
あの描写は迫力がありましたね。
お父さんの動機は最後まで具体的には語られないのですが、この処理はとてもいいと思います。
動機がわかっても絶対に正当化されない行為ですし。
で、兄のそのときの心境は続編で明らかになるのですが、これもすごく考えさせれられました。
とにかく理詰めな彼は、動機を知りたいと願う。自分自身がそれを回避するために。
その回避対策は間違っているわけですが(いろいろあって成長した妹にはそれが見える)、
兄の「自分もそうなるんだ」という恐怖は真に迫っていましたね。
自殺・自殺未遂の暗い穴には確実に周りの人もはまってしまう、ということだと思います。
その穴から出きるために、お父さんは例の宣言をしたんでしょうかね。
ただ、もっと早くお勤めはやめるべきだったのかも(言ってもしょうがないですが)。
余談ですが、最初の話では転校生の男の子が出てきて,続編ではちょっと抜けてる金持ちのボンボンが彼氏になるのですが、どうも映画ではそれが同一人物になっているらしい。
で、予告編で繰り返し流れてたセリフは、本では転校生のものなんですよね。
あのセリフは、家に事情があって転校を繰り返してきた彼だから言えたのであって、ボンボンには無理だと思うけどなあ。ま、どんなシチュエーションなのかわからないですけど。
余談の余談。
あのお兄ちゃんは「バナナフィッシュにはうってつけの日」(サリンジャー)のシーモア兄さんを、天真爛漫な彼氏(ひどいことするよなあ作者も)は、「茄子」(黒田硫黄)の、父さんの借金のおかげで姉弟で田舎の親戚に預けられた女子高生(名前忘れた)の彼氏、を思い出させます。ってどうでもいいですね。
かようにいろいろなことを思わせる本ではあります、私にとって。

大浦君の天真爛漫さが言わせた気がして。
コメントありがとうございます!気づくのが遅れてすみません。
トラックバックさせていただきました。
>あのセリフ、映画でも違和感無かったですよ。
なるほど、そうですか。映画ではきっとふたりの性格をミックスしたような大浦くんだったんでしょうね。
いつか映画も見てみたいと思います。